第30回 AMD Award '24

江並直美賞(新人賞)

  • 押山 清高

アニメーション監督・アニメーター・株式会社ドリアン

加藤 創|第30回AMDアワード 江並直美賞 

授賞理由

アニメ制作会社ジーベックでアニメーターとしての活動を開始。2017年、スタジオドリアンを設立。短編アニメーション『SHISHIGARI』を制作。

2024年、監督・脚本・キャラクターデザインを務めた劇場アニメ『ルックバック』は上映時間58分という中編作品としては異例の大ヒットとなり、第48回日本アカデミー賞 優秀アニメーション作品賞など多数の賞を受賞した。最近はCGやAI等最新のデジタル技術を駆使してアニメーションを作成することが増えた中、原作を大切にした高品質な作品を構築。監督・脚本・原画等、全編をコントロールしたことを高く評価したい。また、今後の更なる活躍も期待されている。

受賞コメント

手描きアニメーションの制作には、才能や技術力、そして途方もない手間暇が必要です。また、絵である以上、実写やCG表現に比べて表現が単純化され、記号的で稚拙に見えてしまうことがあります。

しかし、だからこそ生まれるアイデアや表現もあり、『ルックバック』は、そうした人間の手仕事による泥臭さがあるからこそ伝わるものがあると信じて制作しました。

40代で新人賞を受賞できたのは、とても光栄なことです。本当にありがとうございました。

作品紹介

『ルックバック』は、藤本タツキ原作の青春物語。

ひたむきに漫画を作り続ける二人の少女の姿を通して、物を創る喜びと苦悩、出会いと別れを描く。

監督の押山清高は、脚本・絵コンテ・キャラクターデザインも担当。全作画の過半も自ら描き切った。また、アニメーターが描いた原画素材を活かす、「手描き感」のある表現でも注目を集めた。

2024年6月28日に日本で公開、7月31日には全世界の上映もスタートし、累計興行収入は43億円を突破している。

ルックバック|第30回AMDアワード 江並直美賞 

主な参加作品

『電脳コイル』(2007、作画監督、原画)
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』(2009、原画)
『借りぐらしのアリエッティ』(2010、原画)
『鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星』(2011、アニメーションディレクター、原画)
『風立ちぬ』(2013、原画)
『スペース☆ダンディ シーズン 2』(2014、脚本、絵コンテ、演出、作画監督、原画)
『フリップフラッパーズ』(2016、監督、脚本、絵コンテ、原画)
『DEVILMAN crybaby』(2018、デビルデザイン、絵コンテ、演出、作画監督、原画)
『フリクリ オルタナ』(2018、メカニックデザイン)
『フリクリ プログレ』(2018、メカニックデザイン)
『SHISHIGARI』(2019、原作、監督、脚本、アニメーション)
『デカダンス』(2020、サイボーグデザイン)
『チェンソーマン』(2022、悪魔デザイン)
『君たちはどう生きるか』(2023、原画) など

【著書】
神技作画シリーズ『作画添削教室』(2019)
神技作画シリーズ『押山式作画術』(2021)

© 藤本タツキ/集英社 ©2024「ルックバック」製作委員会